熱処理のすべてを理解するのは大変ですが、少し専門的な内容を知ることで、
材料を選定したり熱処理を依頼する場合に、大変役立つでしょう(H22.7.20)
はじめにお断りしておかねばなりませんが、このHPは一般的な熱処理解説ではなく、カスタムナイフや自分で作った工具類、あるいは、試作品などの少量品について、どういう材料を選んだらいいのか・・・とか、熱処理屋さんに焼入れ(ここでは「硬くする」という意味合い)を依頼しようとする際に、知っておくと役に立ちそうな内容となるように想定しています。 筆者が、第一鋼業株式会社の勤務を通じて経験した内容も含まれており、専門家から信ぴょう性を指摘されるかもしれない、かなりマニアックな内容や理解しにくい部分もあるかもしれませんが、今回は図表やデータの解説を加えるなど、具体的な内容に踏み込んで、全面的に見なおしています。
図表など、座右の書籍から引用させていただいたものについては、末尾に「参考文献」として示しました。良い書物ですのでぜひ本文を入手されて読まれることをおすすめします。
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私の記憶では、現在のように「真空熱処理」が一般的でなかった1980年代頃には、いろいろな鋼種が流通していて、当社のような一般熱処理業者は小口の品物を扱うことも多く、お客様の要望はすべて受け入れて多様な熱処理をしていた時代でした。 しかし近年は熱処理炉も大型化し、利益や処理の効率を上げるために、熱処理屋さんは小口の品物を嫌う傾向にありますし、材料メーカーも鋼種を集約化して、流通している鋼種はどんどん少なくなってきているように思います。
そして、材質も高級化しており、当時には自分でガスバーナーなどであぶって、水や油に入れて焼入れする方法でもそれなりに使えていた鋼が多かったのですが、今は1000℃を超える焼入れ温度の鋼が多くなって、自分ではいろんな鋼を使ってみたくても熱処理が難しく、材料選択に悩んだ挙句、加工はしたものの、熱処理屋さんに頼むにも、どのように頼んでいいのか戸惑っている人も多いのではないでしょうか。
このような場合は、材料を購入した業者さんが熱処理まで面倒をみてもらえると思いますが、本文で説明していきますが、熱処理屋さんとしても、個別の要求に応じるのは制限があり、なるべく「標準仕様」で手離れを良くしたいという事情もありますので、「こだわりのONLY ONE」を目指す方は、任せきりにしないで少し知識を持たれることをおすすめします。
当社(第一鋼業)でも、小口の品物については、熱処理条件が合う鋼種や仕様のものをまとめて熱処理しますので、「こだわりの熱処理」ができないことが多くなっていますが、小口専門とも言える「ソルトバス」を使った熱処理によって、かなり自由度が高い熱処理が出来ますし、実際にそれのサービスを実践していますので、1つからの小口でも、こだわりの熱処理ができる数少ない設備ですので、ご検討ください。
ただ、残念なことに、ソルトバス熱処理は、環境対策面の費用や効率などのデメリットを考えると「消えゆく運命」にあります。 しかし、熱処理特性上の長所も多いために、設備を維持出来る限り続けていけるように頑張りたいとおもっています。
第一鋼業株式会社 ソルト熱処理のWEB担当まで・・・
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