熱処理のすべてを解説するのは大変ですが、ここでは、自分で加工した品物を熱処理専門業者さんに
熱処理してもらう場合に、きっちりと依頼できるようなないようを想定しています。(H22.2.23)
はじめにお断りしておかねばなりませんが、このHPは一般的な熱処理解説編ではなく、カスタムナイフや自分で作った工具類、あるいは、試作品などの少量品を熱処理の専門外の人が熱処理屋さんに焼入れ(ここでは「硬くする」という意味合い)を依頼する際に役に立ちそうな内容となるように想定しています。 かなり専門的な内容もあり、理解しにくい部分もあると思いますが、最高の熱処理をするためのものとしてお読みください。
**** ○ ****
私の記憶では、現在のように「真空熱処理」が一般的でなかった’80年代頃には、いろいろな鋼種が流通していて、当社のような一般熱処理業者は小口の品物を扱うことも多く、お客様の要望はすべて受け入れて熱処理をしていた時代でした。 しかし近年は熱処理炉も大型化し、利益や処理の効率を上げるために、熱処理屋さんは小口の品物を嫌う傾向にあります。 それに加えて、当時にはガスバーナーであぶって、水に入れて焼入れする方法で使えていた鋼がおおかったのですが、今は1000℃を超える焼入れ温度の鋼が多くなって、自分では熱処理出来ないし、熱処理屋さんに頼むにも、どのようにう頼んでいいのか戸惑っている人も多いのではないでしょうか。
当社でも、小口の品物については、熱処理条件が合う鋼種や仕様のものをまとめて熱処理しますので、「こだわりの熱処理」ができないことが多くなっています。 焼入れ温度も適正範囲内の共通温度にして、保持時間も量の多いものに合わせてそれなりに・・・・・というように、効率優先になってきています。 これはJISや熱処理的に見ても、間違った処理ではないというものの、「熱処理屋さんの都合」で最高品質となるのを逸しているのは、精魂込めて作った品物に対しては、なにか解せない気持ちが残りませんか?
つまり、現状は、費用や納期を気にするお客様と、効率を望む業者の共通利害から、「アバウト」な熱処理となっていることが多いのです。
その上に、「こういう熱処理をしてほしい」と熱処理屋さんに依頼や問合せをしても、難しい専門用語を交えての説明と、特別扱いとなると納期・価格の障壁が加わるといって、簡単に希望を聞いてもらえないばかりか、極端な場合は、「これ以上のことは出来ません」と断られたり、言われるままの処理になってしまった…・という経験がある方もおられるのではないでしょうか。
そのような現実的な背景をあわせて、ここでは「熱処理はこういう処理をすることです」「こういう性質を満足させるためには、このような熱処理が必要です」ということを感じていただけるようにするとともに、小ロット品についても個別に最適な熱処理ができる「ソルトバス」を使うことで、最適な熱処理ができるんですよ・・・・ということをPRしたい気持ちでこのHPをつくりました。
残念なことに、(実はこれから推奨したい「ソルトバス」もそうですが) 費用、利益などの熱処理業者側のデメリットを考えると、これらのオーダー的な熱処理は消えゆく運命にあるような状況ですが、設備を維持出来る限り、頑張りたいとおもいます(第一鋼業:野中 豊)
第一鋼業株式会社 ソルト熱処理のHP担当 野中 豊
***このページの上へ***
続いて読まれる方は<<次のページへ>>
